ペガサスキャンドル

ペガサスキャンドル

キャンドルの不思議なチカラ。

キャンドルの不思議なチカラ。

Project 4 : キャンドルのコラム

キャンドルのコラム

■デンマークの“Hygge”はキャンドルとともに。
北欧の“Hygge”に学ぶ。くらしの中のキャンドルの楽しみ方
文/冨田 千恵子

■キャンドルは、21世紀のいろり。
宮本 常一著『旅の民俗学』(河出書房新社)の中:「日本の原点 with 水上勉」の章より

デンマークの“Hygge”はキャンドルとともに。   文/冨田 千恵子

キャンドルのコラム

北欧でキャンドルを灯すのは、もともとは暗く長い冬を快適に過ごすための「生活の知恵」でしたが、今では季節を問わず、幅広く使われています。特にデン マーク人がよく使う表現、Hygge「ヒュッゲ」(「親しい人と楽しい時間を過ごすこと。」)の雰囲気作りに、キャンドルは欠かせません。
 
デンマーク生活20年の私ですが、印象に残っているキャンドルの使い方は、デンマーク人の夫の実家での習慣です。それは、早春や晩秋の夕暮れ時、西の空に 沈んでいく夕日を眺めながらキャンドルの光の中で語らうことでした。夕飯前のほんのひととき、話すことは「夕食にワイン飲む?」や「今日、こんなことが あったよ。」などのたわいないものですが、それでも、ほっこりと温かい気持ちになれるのは、キャンドルの効果にちがいありません。こうして、「ヒュッゲ」 をキャンドルの光で分かち合うのがデンマーク流です。
 
もちろん、キャンドルが最も華やぐのは、クリスマスや誕生日などの特別な夕べです。料理の準備やテーブルセッティングも終わり、最後の仕上げにキャンドルを灯すことは、楽しい時間がスタートするワクワク感を高めてくれます。
 
スワンチェアなど、世界的に名高いデザインの数々を生んできたデンマーク人。彼らのライフスタイルのセンスの良さは、なにげない毎日の暮らしの中からつちかわれるのです。さあ、キャンドルを灯してみましょう。それぞれの「ヒュッゲ」が見つかるはずです。

冨田 千恵子 さんプロフィール

動物と子供に弱い、北欧デンマーク・コペンハーゲン在住のコーディネーター兼ライター。最近の趣味は、娘のペットのハムスター「みな」と遊ぶこと。癒されます。

キャンドルは、21世紀のいろり。

キャンドルは、21世紀のいろり。

キャンドルの炎が生み出すほの暗いあかり、オレンジ色のうつろい、炎のゆらめき。その時間と空間は私たちの心をほぐし、穏やかに心通わせる世界に導いてくれます。

キャンドルのあかりは私たちをリラックスさせ、人と人をつなぐ力を持っているといえます。それはまさに、いま日本人が失いつつあるものを取り戻してくれる、「21世紀のいろり」ではないでしょうか。

日本中を歩き巡り調査を重ねられた民俗学者:宮本常一氏(みやもとつねいち・1907-1981年)は、小説家:水上勉氏との対談で、「いろり」について以下のように述べられています。

非常に問題になると思うことは、やっぱり「いろり」のなくなったことね。これは日本人の性格を変えてしまうんじゃなかろうかと思う。…いろりくらいみんなの心を解きほぐして、対話させる場というものはない。

いまだって、水上さんといろりばたで火を見つめながらはなしてごらんよ。いいわな。火がちろちろ燃えている中で出てくる話はやっぱりすばらしい。…話をしてくれる年寄りも、聞いているこっちも、何の境もなくなるんですわ。

…ところがこのごろ話を聞きに行くと、がっかりする。「テレビ見にゃならん。テレビがすんでからにしてくれ。」(笑)それは同じように、自分らの命を燃え続けさせるものが消えてき始めているんじゃないかという感じがするのです。…だからあの体験を持たないということが、ある意味で人間が瞑想的なものを失っていった大きな原因じゃなかろうか。

僕は本来人間というのは詩人だと思いますがね、散文的にしてしまったのは何がもとだろうということね。魂を凝集させるものはああいう光の中にのみあるんじゃないですか。

宮本 常一著『旅の民俗学』(河出書房新社)

「日本の原点 with 水上勉」の章より引用致しました。